iCloud+ を利用している場合、見逃しがちなカスタムドメインを利用することができる機能です。この機能を利用すれば、ドメインの維持費用は別途かかりますが、メールに関しての部分は設定さえしてしまえば、独自ドメインを利用してメールを利用することができます。ここではこの手順を紹介します。
カスタムメールドメイン
独自ドメインを iCloud のアカウントで利用するための機能です。これに関して、以下のような制限があります。
- 最大5つのカスタムドメイン
- ドメインごとに最大3つまでパーソナライズしたメールアドレス
- カスタムのドメインに関してはファミリー共有グループで共有することができます
- ドメインはファミリー共有以外の人にも共有することが可能です(ファミリー共有以外)
あくまで個人ベースの利用を想定しているためですが、私のように独自ドメインを利用してメールの送受信をしたい、iPhone など Apple の製品を中心に利用している場合は、ちょうどいいサービスという感じです。
詳しい公式の手順は以下でまとめられています。
ドメインを追加する
作業をする前の手順として、以下の準備が必要となります。
- 2ファクタ認証が有効になっているApple Account。
- iCloudメールをデバイスで設定しておく。
上記の設定が完了している場合、公式の手順では以下の手順に従っていきます。
手続きを進めていきましょう。
ドメインの詳細を入力する
まず最初に、https://www.icloud.com/icloudplus にアクセスをしま。ログインをすると、以下のように iCloud+ の機能一覧が表示されます。真ん中に表示されるカスタムメールドメインをクリックします。

説明が表示されるので、確認をして続けるをクリックします。

利用するドメインをすでに持っているため、所有するドメインを利用を選択します。

カスタムメールドメインを利用する範囲が表示されます。今回はファミリー共有も前提なので、下のあなたと他の人を選択します。

ドメイン名を指定します。

すでに該当するドメインで利用しているメールアドレスがあれば、指定していする画面が表示されます。必要に応じて入力してください。

入力が完了したあと、ダイアログの一番下にあるボタンをクリックして進めます。

ポップアップでダイアログが開き、GoDaddy へのログイン画面が表示されます。ログインをすると、以下のように DNS の更新をするかどうかの確認が表示されました。実はこのドメインは事前に Google Workspaces のテストで繋げていたので、切り替える形となっています。

接続をクリックすると、自動的に DNS のレコードが更新されます。

管理画面に戻ると、DNS の更新を確認しています。

完了すると、メールが届きました。

DNS に関して、GoDaddy を利用していたのですごく簡単にできましたが、連携していないレジストラの場合は DNS のレコードが表示されて、自分で設定するという手順になります。
利用項目の確認
設定完了後、ドメインに関して幾つかの項目が設定されます。
メールアドレスの追加
メールアドレスの管理画面では、利用したいメールアドレスを追加することができます。もちろん同じドメインで別のユーザーと被って利用することはできません。

全ての受信メッセージを許可
この項目は、例えばつくってもいないのに support@ という形のメールアドレスのメールが来た場合、そのメールを受信するという機能を設定することができます。

この機能はオンとオフの2つのみとなります。たくさん変なメールが来るぐらいならオフにしてもいいと思いますが、ちょっとした typo のメールアドレスであれば受け取れるので、好みに合わせてください。
このドメインの使用を停止
後日、別のサービスでドメインを利用したい、という場合はここでオフにすることが可能です。将来的に別のサービスに切り替える時に、ここに項目があるというのを覚えておくだけでそのままにしておきましょう。
メーラーの設定
Apple のメールで利用する
ドメインを追加したあと、作成したメールアドレスをメールアプリで利用できるようにしていきます。macOS のメールを起動して設定を選択します。

メールの設定が開くと、メールアドレスが表示されます。クリックをすると、メールアドレスを編集のメニューが表示されるので、ここで追加します。

メールアドレスを複数設定が可能です。ここですでに作成しているメールアドレスを追加します。

これで From を切り替えてメールを作成することが可能となりました。
Outlook を利用する ( macOS )
iCloud のアカウントを macOS の環境での Outlook で利用する際には、通常のアカウントとパスワードとの連携ではなく、アプリパスワードを発行する必要があります。
まず連携をする Outlook を起動して、ユーザー設定 > アカウントを選択します。

アカウントの追加をクリックします。すると下の画面が表示されます。ここで、iCloud のアカウントを指定します。@icloud.com のアカウントとなります。

iCloud との連携画面が表示されます。

サインインのボタンをクリックすると、アプリケーションパスワードの設定画面となります。

アプリ固有のパスワードを生成する、をクリックしてパスワード生成の画面に移動をします。

サインインのボタンをクリックします。サインインの際にパスキーを利用せずに、パスワードを入力してログインをしてください。

サインインに成功すると、画面の下の方にアプリ用パスワードの画面があります。

クリックをすると、初回の場合はパスワードが何も設定されていない状況です。

アプリ用パスワードを生成のボタンをクリックして、パスワードがどのデバイスで利用することになるのか、管理ができるように名前を設定します。

作成ボタンをクリックするとパスワードが作成されます(以下の画面のパスワードあスクリーンショット用のため無効です)。

このパスワードを Outlook の画面で入力すると、設定が完了して以下の画面が表示されます。

これで Outlook からアカウントにアクセスすることが可能となりました。
Outlook を利用する ( Windows )
Windows 版の Outlook を利用する際には、設定の画面からアカウントの追加を進めます。

iCloud のアカウントを指定します。

確認画面が表示されて、続行をクリックします。

ブラウザが開いてログイン画面となります。ここで iCloud のアカウントを利用してパスワードでログインをしてください。

パスコードが求められ、設定が完了すると Outlook に画面が戻り、アカウントの追加が完了していれば設定が完了となります。

まとめ
今回は iCloud+ で個人的に利用していなかったカスタムメールドメインの設定を紹介しました。Outlook と連携するところまで紹介していますが、個人的には以前のアカウントも Outlook に繋げて、メール、スケジュールや連絡先の移行などは Outlook 上でやってしまおう、と思っています。個人のアカウントなので、移行の際に整理するのもちょうどいいですね。